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閉塞性動脈硬化症と間歇性跛行

近年急速に増加している疾患のひとつに閉塞性動脈硬化症があげられます。腕や足の血管にみられ、その名称の通り、動脈硬化により動脈の狭窄や閉塞が起こり、さまざまな障害が現れる病態をいいます。末梢の動脈に起こる病気といっても、足に異常がみられるケースがほとんどです。

症状は基本的に度から度に分類されており、度の場合は冷感やしびれが代表的な症状です。度になると、間歇性跛行(かんけつせいはこう)と呼ばれる症状がみられるようになります。これは血管が詰まったり狭くなることで血流が減るため、一定距離を歩くと主にふくらはぎなどが締めつけられるように痛くなり、少し休むと再び歩けるという状態です。この症状は動脈硬化のほかに、骨や関節、靭帯などが肥厚し、神経が通る管を狭くすることで起こる腰部脊柱管狭窄症が原因となることもあり、鑑別する必要があります。さらに度になると、安静時の痛みがみられるようになります。最も重度である度では、潰瘍や壊死がみられ、壊死した部分は黒ずんで見えます。ここまで進行すると、足趾の切断を検討せざるを得ない場合もあります。治療は症状にもよりますが、度までであれば、薬や運動療法で改善する可能性は高いといえます。度、度は血行再建術などの積極的な治療を考える必要がある段階で、放置しておいても病態は悪化する一方ですから、早期に受診していただく必要があります。

 

(文:循環器内科医師 太齋公隆)

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